部分にとらわれず全身を診る。木も診て森も診る。
何を診るのか。
まずは「全体」と「局所」のバランスを診る。
まず診るべきは「全身」と症状に関わる「部分」の『バランス』です。
「どこ」に「なに」が「足りない」のか、また「余りすぎて」いるのか。は大変重要なポイントです。前後・左右・上下のバランス、内・外のバランス、意思(意識)と自律(無意識)自律のバランス。
そもそも身体には『自然治癒力』がそなわっており、治ろう治ろう(バランスを取ろう取ろう)としているのです。その力を邪魔する「原因」が「偏り・バランスの崩れ」を起こしつらい症状を生むのです。
バランスの崩れを起こしている原因を特定・除去し、バランスを取る手助けをすること、それが『治療』です。
それぞれの療法が得意とする「整え方」を使って、その人の「自然治癒力」がもっとも発揮されるように導く。
これが千北佛大前鍼灸整骨院の考え方です。
次に症状に合わせて診る。
1.筋肉、軟部組織を診る。
肩・腰・膝・関節などの緊張、腫れ、痛み、しびれなど、ご来院の動機にもっとも多いこれらの症状の多くは、この「筋肉・腱・靱帯などの軟部組織」に感じます。
押す・なで・さする・揉むなどの手技を用い、緊張をゆるめ・炎症や痛みを起こす物質を他所へ誘導し・痛みの除去緩和をうながします。
でも、実はこれらの症状は「筋肉そのもの」には問題がない場合も少なくはないのです。
直接的な「筋肉」への働きかけは『マッサージ・指圧』の分野です。
2.骨、関節を診る。
多くの筋肉・軟部組織は「骨」に付いています。「関節」は骨と骨の連結部分です。人体を家にたとえると骨は「柱」です。そのアライメント(縦横のラインを揃えて統一すること)が狂っていると、本来の機能を十分に発揮できません。
また、背骨(脊柱、人体の大黒柱)は24個の小さな椎骨からなっており、その構造的な狂いはあらゆる問題を引き起こす可能性を持っています。
関節の結合を担っている靱帯や腱、または骨そのものに接触し、正しい骨の関係を取り戻すように働きかけます(矯正)。
「骨」への働きかけに特化した療法が『カイロプラクティック』で、構造変化をもたらすためには重要な療法です。
3.神経を診る。
筋肉や軟部組織・骨はそれぞれが勝手には動きません。脳からの指示を受けて初めて動きます。その脳からの伝達経路が「神経」です。神経の伝達が正しく行われていないと正しい機能も発揮されません。
筋肉や関節には大きな異常がないのに痛みやしびれが起こっている場合、脳からその部位までのルートのどこかで伝達が阻害されている可能性が強いと判断できます。
神経伝達ルートの阻害に対しては『カイロプラクティック』『鍼灸』を適用します。
療法の選択に関しては、不安のないように(「鍼はちょっと怖い感じが…。」「ボキボキは苦手で。」など)ご希望をお伺いしています。
4.自律神経・ホルモンを診る。
神経はまた、消化器・泌尿器などの内臓の機能も司っています。いわゆる「自律神経」です。「自律」なために意思では制御できません。よくいわれる自律神経失調はその制御が失われた状態といえます。
神経とは別の制御体系が「ホルモン系」です。内分泌系とも呼ばれるように脳下垂体などからの物質により全身状態が制御されているのです。
これらの自律・ホルモンのバランスが崩れると様々な症状が出ます。検査などで「はっきりとした原因」が特定できないのに、頭痛・めまい・耳鳴り・動悸・吐き気・便秘・下痢・生理痛・生理不順などの血管や内臓の症状が出る場合、自律・ホルモン系を疑うことになります。
この辺りの症状改善には東洋医学としての『鍼灸』に分があると思います。
効果が出る方にはご本人が驚かれるほどの結果が出る場合も少なくありません。
5.東洋医学的に診る(気・血・水・ツボを診る)。
東洋医学としての体や機能を診ます。気・血・水、これらは全身を循環しており、その循環・変化こそが「生命」だととらえられています。
『気』とは、「生命エネルギー」や「物質ではなく人体の機能」などをさします。
『血』は、「血液そのもの」とその「血液が運んでくる栄養分」のことをさします。
『水』については、「単純に水分」という意味でもあり、汗やリンパ液、皮脂などの「血液以外のすべての体液」のことをさしていいます。「水」は老廃物を体外に排出する役割ももっています。
これら「気」「血」「水」が滞った時に「病」となり痛みなどの「症状」があらわれるととらえています。症状と体質とこれまでの病歴と身体にあらわれている皮膚・筋肉の状態(いわゆるツボの状態ですね)などから多面的に観察して、「気」の異常なのか「血」の異常なのか「水」の異常なのか、また臓器や骨にまで波及しているのかを総合的に判断します。
また、身体の症状であっても心理状態や精神的ストレスが大きく影響します。試験前に便秘や下痢をしたり、理不尽な行いにストレスを受けて頭痛を起こしたり、イライラが続いて体調を崩したりといった経験はどなたにでもあると思います。過度のストレス状態が長く続けば不眠や自律神経失調などを引き起こし、現在非常に増えている鬱(うつ)へとつながりかねません。精神状態も治癒には大変重要な要素です。
気・血・水の調整にはもちろん『鍼灸』となりますが、気の流れを阻害するほどの構造上(骨)のゆがみの存在があると判断した場合は『カイロプラクティック』を併用します。
どうやってバランスを取るのか。
『循環』によってバランスを取る。
偏りは「循環」で解消する。
バランスを取ると言っても、口で言うほど簡単な作業ではありません。特に「塊」や「固体」によるの偏りのバランスを取るのは容易ではありません。始まりは「水」などの流動的な偏りだったものが、年月を経て「塊」に変じてより強固な偏りが生じるのです。
では、いかにして「固体」を溶かし流動化し、バランスをとるのか。
過程を遡らせるしかありません。
まずは動かしやすい「気」を流し、気を動かすことで「水」「血」を循環させて、自然なバランスを取り戻すのです。時間をかけて築かれたものを取り戻すにはは時間がかかります。
「そんなには待てない」という声が聞こえてきますが「気」を動かすことができれば、
その時点で症状の軽減は概ね見られます。
まずは症状を軽減し、効果を実感していただき、継続の力により根本的な改善へと向かう。
とにかく、「循環」と「継続」が大切です。